きみのゆめ農園

Saori Kanaya Private Blog

【発達障がい児の育児】漢字は捨ててよし

次男は漢字が苦手です。
いわゆる、学校教育が求める漢字は、ほとんど書けないと言っても過言ではないほど、書けません。
とめ、はね、はらいなどは、もうぐちゃぐちゃ。
漢字のテスト中は、真っ白な答案用紙を見つめながら、しきりに頭を掻いて過ごしています。

そんな次男が漢字を書き始めたのは、わずか3歳くらいのとき。
大好きな電車の絵を描くと、その方向幕には「品川」「大船」などの駅名をすでに漢字で書いていました。
その時は、とめ、はね、はらいなどを意識することはありませんでしたが、漢字の形を覚えてそれを書く3歳の次男には、何かとてつもない才能があるのではないかと感じていた親バカでした(笑)。

しかし、次男の漢字を書くスキルは、3歳のときから全く進化していません。
3歳のときのままの字で、今も漢字を書いています。
学校の面談でも、先生からは「漢字はちょっとひどすぎる。」と言われ続けてきました。

名前の漢字も違うので、「この書き方、違うよ」と指摘をするのですが、「うん、知ってる」と言って直そうとしません。
せめて名前くらいは正しく書いてほしいのに、「一体何なの!?」と思ってしまいます。。。

そんなわけで、5年生の時までは、なんとか漢字を習得してもらいたいと思い、人気の「うんこ漢字ドリル」を1年生からやらせてみたり、放課後デイでもやさしめの漢字プリントをやらせてみたりと、悪戦苦闘していました。
夏休みの宿題で必ず出てくる「漢字検定」のプリントでは、丸付けをする私の労力も相当なものでしたが、何とか正しい漢字を書けるように教え込みました。
次男は、泣いたり、イライラしたりすることも多くありましたが。。。
結果は、変わりませんでした。

それでもなかなか、「漢字は捨ててもいいよ」と言えなかった私。
強みを伸ばしてあげたいと口では言いつつも、この日本に生まれたわが子に対して、漢字をあきらめる決断はなかなかできなかったのです。

しかし、6年生になってすぐくらいの頃でしょうか。
「漢字はもう捨ててよし!」と吹っ切れる出来事がありました。
それは、週に2時間受けている特別支援教室(サポートルーム)の中で、漢字の練習をしていたと知ったときです。

発達性がい児が受ける本来のサポートルームの役割は、単なる補習ではありません。
集団での学校生活に困りごとを抱える子どもの適応能力を伸ばすために、少人数でコミュニケーションのとり方を学んだり、障がいの状態に合わせた指導を受けたりといったことが目的であるはず。
苦手な漢字を練習させてくれるのはありがたいけれど、できないことの克服のために貴重な時間を使うよりも、できることを伸ばすことに力を入れてもらいたい。。。
そう思ったときに、それまで自分自身が、次男に対して何とか人並みに漢字が書けるようになってもらいたいという思いを押し付けて、苦手なことばかりに意識を向けていたのだと気づきました。

今の時代、とめ、はね、はらいに気をつけて漢字をきちんと書けることよりも、正しい漢字を検索できれば、生活には困りません。
私だって子ども時代に一生懸命漢字の練習をしたけれど、今はすぐにスマホが変換してくれるので、実際に書こうとしても書けないことがよくあります。

確かに、漢字が書けないよりも、書けた方がいいことに間違いないけれど、都立高校の国語の入試問題を見ても、漢字の配点は毎年10点。
そこに時間を費やすよりも、得意な算数や理科で点数アップを狙った方が、次男にとっては戦略的です。
将来の職業選択を考えても、できないことを仕事にする人はいません。できることの中から、仕事を選んでいくのです。

「強みに目を向けましょう。」
「今ある能力を活かしましょう。」
支援現場では当たり前にそれを追求しているはずなのに、一番身近なわが子に対してはできていなかった自分。
結局、「漢字は捨ててよし」と言えるようになるまでに、小学校入学から5年以上も経っていました。。。

次男には、漢字の細かいことを言うのはもうやめました。
でも、彼の中で比較優位な算数や理科に関しては、もしかするとこれからちょっと厳しくなってしまうかもしれませんが…(笑)。