金谷さおりブログ きみのゆめ農園

Saori Kanaya Private Blog

【自閉症児の育児】兄と通うピアノレッスン

ここ最近は、仕事がかなり忙しい毎日が続いています。
休みの日には、平日終わらなかった作業をせっせとこなさなければならず、子どもたちを遠くに遊びに連れて行ってあげることも、時間のかかる料理を作ってあげることもできません。

週末はいつもくたくたで、気づけばうたた寝をしていることも。
しかし、そんな休みの日の過ごし方に、一つの大きな楽しみが増えました。
自閉症の次男が、長男と一緒にピアノを習い始めたのです。

きっかけは「自転車」。
自転車での外出ができるようにと、上の子たち3人に自転車を買い与えたのですが、どうしても次男だけ上手に乗ることができないのです。
単純に「自転車に乗る」ということはできます。
しかし、前方からくる人や自転車とすれ違ったり、物をよけたり、安全確認をしたりすることができません。

とても気になったので、かかりつけ医の先生に相談したところ、
1.協調運動が苦手で、両手と両足を同時に動かすことができない
2.一つのことに集中するのは得意でも、注意力を分散させることができない。
3.相手の動きが予測できない。
という次男の障害特性から、年齢に期待されるだけの自転車操作が難しいということが指摘されました。

まずは1のトレーニングができるよう、「両手両足を同時に使うような習い事をしてみるのはどうですか?」と先生からアドバイスをいただき、水泳、ピアノ、ドラム等がお勧めだと聞きました。
次男は「おれはドラムがやりたい!」と言っていましたが、さすがにドラムを購入するだけの財力はママにはないと説明したところ、「兄と一緒なら何でもいい」と次男。
最終的には兄の希望により、ピアノを習い始めることになったのです。

教室までの往復が心配なので、毎週土曜日に私が付き添い、長男と次男はレッスンに通っています。
先生は以前私がフルートを習っていた信頼のおける先生で、兄弟の事情も快く受け入れてくださいました。
先生の言うことをしっかり聞き、注意事項をよく考えてピアノを弾こうとする長男に対して、音符も記号も読めないけれど感覚や雰囲気で弾こうとする次男。
兄弟それぞれの様子を見ているのがとても楽しく、今では私が最もレッスンを心待ちにしているような状況です。

次男にとっては苦手なことばかりですが、「せーの」と言って連弾をするときは、相手のことを考えて間違えないように合わせようと努力する姿が見られます。
はじめは「せーの」も言わずにいきなり弾き始めて先生を困らせていましたが、「せーのって言ってくれないと先生合わせられないよー」と言われ、本人なりに「なるほど!」と思ったよう。
ピアノを通じて、ただ両手両足を操作するだけではなく、注意事項を守ろうとしたり、五感や想像力を働かせたり、相手と合わせようと努力することの必要性を学んでくれています。

集団教育の中では、みんなと一緒にやりなさいという一言で指導が終わってしまいそうな一連の出来事を、ピアノではマンツーマンで、しかも母や兄のいる落ち着いた環境の中で学ぶことができ、本当に良かったと思います。

ただし、気持ちが荒れているときは「やらない!」とイライラしたまま1回が終わることもありますし、ご機嫌は良いのに集中力が持たず、同じ曲でも1回目→2回目→3回目と弾くにつれてどんどん下手になっていくときもあります。
それでも楽しくレッスンに通ってくれているのは、理解ある先生の指導力と豊かな人間性の賜物なのでしょう。

私自身にとっても、ピアノの時間はそれ以外の全てを忘れて二人と向き合うことができる、大切な時間になっています。
子どもたちと一緒に、これからも新しい世界観を広げていきたいと思います。